気軽すぎて逆に難しい??ーネットカウンセリングの課題

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ネット上でカウンセリング(メールやSNSでテキストをやり取りするもの)を始めて3ヶ月になりますが、ネットならではの難しさが少し見えてきたのでまとめておきたいと思います。

今回はカウンセリングの流れをアセスメント段階・心理教育段階・試行錯誤段階に分けて考えたいと思います。

アセスメント段階

初めて相談をする人は、ほとんどの人がアドバイスや何らかの答えを求めてカウンセリングを利用します。

「どうしたら良いでしょう?」とか
「何かいい方法はないでしょうか?」とか。

でも大体の場合は、初めは情報量不足で、どのように困っているのかがわからないので、最初はカウンセラーから詳しく質問することになります。

これはネットカウンセリングでも対面カウンセリングでも大体同じことで、対面だと一回1時間のカウンセリングを丸々この時間に使うことも珍しくありません。

ここまでを私は、問題を深く知る段階、アセスメント段階だと思っています。

 

心理教育段階

で、問題が見えてくると、質問への答えを返せるようになります。

「こういうことかもしれませんね」とか
「こうしてみると良いかもしれません」とか。

問題についての心理学的な仮説と解決までのアウトライン伝える段階です。心理教育の段階と言っても良いかもしれません。

これも、一発で伝わらない場合があるので、何度かやりとりをして、誤解のないように伝えることになります。

ここもネットと対面であまり違いはありません。対面のカウンセリングだと、初回の最後にここまでいくのが理想的ですが、アセスメントが長引くと次の回まで持ち越しということも珍しくないです。

 

試行錯誤段階

ここから先、カウンセリングは、試行錯誤の段階に入ります。

アセスメントをして、解決のアウトラインを示すと、あとはそれを実行に移すだけなのですが、この実行に移すこと自体が、実はとても難しいことです。

分かっているけど出来なかったり、やってみたら別の問題が出てきたりとか、とにかく一筋縄では行きません。なので、その上手くいかなかったところを振り返って、どうしたら良いかをカウンセラーと一緒に検討して、場合によってはアセスメントや解決のアウトラインを見直して、また試して…ということを繰り返して徐々に解決に近づいていくのです。

 

ネットカウンセリングの難しさ

で、この試行錯誤の段階が、ネットカウンセリングだとなかなか成立しない。

どうなるかというと、心理教育で終わりになってしまったり、あるいは、別の相談に変わってしまったりする事が多いのです。

結果、試行錯誤が出来ずに、たぶん解決までいけていない。

 

なぜ難しくなるのか?

なぜこのような事が起こるのかというと、私の考えでは、ネットが気軽すぎるからではないかと思っています。

対面のカウンセリングだと、直接お会いしている時間は、相談する人とカウンセラーで一つの問題に対して向き合う事になります。その時間が過ぎても、次の予約を取って、次の時間はまたこの問題について話し合いましょうね、と問題に向き合う形(枠)が自然と出来ていきます。

ですが、ネット上では、問題と向き合うのはカウンセラーとのやり取りをスマホで見ている瞬間だけ。別のものを見たり、スマホを手放したら、即問題から離れてしまいます。さらに、テキストベースのネットカウンセリングはカウンセラーと時間を共有していないので、気が向いたときに見る、気が向いたときに返す、というのが基本になります。そうすると問題に向き合うという形(枠)が出来にくいのではないか、と思うのです。

 

試行錯誤段階の重要性

試行錯誤の段階は、相談者さんにとって最も面倒で行動コストがかかる段階です。それをサポートするのがカウンセリングの大きな意味であって、カウンセラーの大事な役割の一つのだと思っています。
というか、アセスメントと心理教育は、カウンセリングのほんの一部でしかなくて、メインは試行錯誤であるとすら思っています。

それがネットカウンセリングだと機能しにくい。
これ、ちょっと致命的な問題だなぁと思っています。

まさか、ネットで「気軽に受けれるカウンセリング」を目指して、気軽さが逆に問題になるとは思ってもいませんでした。

 

ネットカウンセリングの価値

じゃあ、ネットカウンセリングはダメなのか?というと、それは言い過ぎだと思います。

少なくともアセスメントと心理教育の段階までは、提供できているわけですし、それだけでも気軽に受けれるのは意味があることだと思います。

でも、もう一歩踏み込んで、試行錯誤の価値も提供出来たらいいなぁと思っています。

 

ネットカウンセリングの未来

あと今回、まとめてみて思ったのは、このアセスメント・心理教育・試行錯誤の三段階をもっと柔軟に提供できないかなぁと言うこと。

アセスメントはチェックリストのページを作れば出来るかもしれませんし、心理教育はこのコラムで多くの心理的な問題を網羅すれば、それだけで事足りるかもしれません。

試行錯誤だって、双方向的なアプリケーションを用意すれば、ある程度は自動化できるかも。

などなど、ちょっと夢は広がります。

 

ネットカウンセリングはまだまだ黎明期。

より気軽に心理的なサポートを提供できるように、日々精進していきますよ!


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