気軽すぎて逆に難しい??ーネットカウンセリングの課題と工夫

2015年の5月より

ネット上でSNS/メールカウンセリングを始めて

もう2年以上になります。

 

その間、
試行錯誤を重ねる中でわかったきた

ネットならではの難しさと、

それに対する工夫を、

ここにまとめておきたいと思います。

 

今回は、カウンセリングの流れを

  • アセスメント段階
  • 仮説と計画の段階
  • 試行錯誤段階

に分けて考えています。

 

 

アセスメント段階

初めて相談をする時、

多くの方が
アドバイスや、何らかの答え
を求めてカウンセリングを利用します。

「どうしたら良いでしょう?」
「何かいい方法はないでしょうか?」

けれども、大体の場合は、

すぐにアドバイス
ということではなく、

最初は詳しい事情について、
いくつか質問することになります。

 

悩みの状況というものは、

本当に人それぞれで、

その解決方法も人それぞれです。

 

そのため個別の事情を抜きにして

「こうした方が良い」

ということを、
言うことはできないのです。

 

ですので
どのような相談であっても、

まずはじめは、

その問題がどういったもので、

それに対応する人
(つまり相談している人)
がどんな解決を望むのか

を明らかにしていきます。

 

これはネットのカウンセリングでも
対面のカウンセリングでも同じです。

対面だと初回の1時間のカウンセリングを
丸々このための時間に使うことも珍しくありません。

 

ここまでを、
問題を深く知る段階
(アセスメント段階)
としています。

 

 

仮説と計画の段階

アセスメントが進んで、

問題が明らかになって行くと、

解決策について考えられるようになります。

 

「こういうことかもしれませんね」
「こうしてみると良いかもしれません」

などと、
カウンセラーがアイディアを出すこともありますし、

 

意外と、問題が明らかになったことで、

「こういうことかもしれません」
「こうすると良いのかなぁ」

相談する人自身が気づくことも、
カウンセリングでは珍しくありません。

 

この段階では、

相談する人自身の気づきを大切にしながら、

問題についての
心理学的な仮説と、

解決までの計画を、

カウンセラーと一緒に考えていきます。

 

これも、

すぐに有用な仮説と
計画を立てられることは少なく、

あーでもない、こーでもないと

何度かやりとりをして、
相談する人が納得のいく
仮説と計画が出来上がるまで、

カウンセラーとの対話を繰り返していきます。

 

自分にぴったりと合った
オーダーメイドの解決策を仕立てる
というイメージです。

 

ここもネットと対面であまり違いはありません。

対面のカウンセリングだと、
初回の最後にここまでできることが理想ですが
次の回まで持ち越しということも珍しくありません。

 

試行錯誤段階

問題の心理学的な仮説が立ち、

それに基づいた計画が立てられれば、

そこから先は、

試行錯誤の段階に入ります。

 

解決の目処が立てば、
あとはそれを実行に移すだけなのですが、

解決策を実行に移すこと自体が、
実は難しいことが多いのです。

 

分かっているけど出来なかったり、
やってみたら別の問題が出てきたり、

とにかく一筋縄では行きません。

 

ですので、
その上手くいかなかったところを振り返って、

どうしたら良いか
カウンセラーと一緒に検討して、

場合によっては
アセスメントや仮説・計画を見直して、

また試して…

ということを繰り返して
徐々に解決に近づいていくのです。

 

ネットカウンセリングの難しさ

この試行錯誤の段階が、
ネットカウンセリングだと
なかなか成立しにくいのです。

 

どうなるかというと、

仮説と計画の段階で終わってしまったり、

あるいは、
別の相談に変わってしまう事が多いのです。

なぜ難しくなるのか?

なぜこのような事が起こるのかというと、

私の考えでは、
ネットが気軽すぎるからではないか
と考えています。

 

対面のカウンセリングであれば、

直接お会いしている時間は、

相談する人とカウンセラーで
一つの問題に向き合う事ができます。

 

その時間が過ぎても、

次の予約を取って、

「次の時間は、
またこの問題について
話し合いましょうね」

と問題に向き合う形(枠)が
自然と出来ていきます。

 

ですが、ネット上では、

その問題について

カウンセラーと取り組めるのは、

スマホやPCを見ている時間だけです。

 

スマホを手放したり、

別のアプリを開いたら、

即離れてしまいます。

 

そうすると、

カウンセリングにおいて、

問題に取り組み続ける形(枠)が

維持しにくくなるのではないか…?

と思うのです。

 

試行錯誤段階の重要性

試行錯誤の段階は、

相談者さんにとって
最も面倒な段階です。

 

自分と向き合い、
自分を変えていく、

それは、
見たくない・触れたくない
ものかもしれません。

それに取り組むということは
簡単なことではありません。

 

だからこそ、
カウンセラーがそこに立ち会って、

問題の解決までサポートをする。

 

そこに、
心理カウンセリングの大きな意味があるのです。

 

それがネットカウンセリングだと機能しにくい…。

 

まさか、

ネットで
「気軽に受けれるカウンセリング」
を目指して、

その気軽さが
逆に難しさになるとは
思ってもいませんでした。

 

工夫していること

当サイトのSNS/メールカウンセリングでは、

そういった試行錯誤に
取り組みやすくなるように、

いくつか工夫をしています。

 

質問の形式で問いかける

ひとつは、
カウンセリングの中で、
必ず質問をいくつか挟むということ。

 

人は質問をされると、
自然とその答えを探そうとします。

 

一旦はスマホやPCから離れても、

ふとした瞬間に、
その質問を思い出して、
答えようとすれば、

問題に取り組みやすくなるかもしれません。

 

そういう理由で、
SNS/メールカウンセリングでは、

対面のカウンセリング以上に、
カウンセラーから質問を問いかけています。

 

伝えることを明示する

二つ目は、

カウンセラーから伝えることは、
できる限り明確にはっきりと伝える
ということ。

 

対面のカウンセリングでは、

実はカウンセラーから
ものごとをはっきりと伝えることは、
あまりしません。

 

細木数子(古い!)のように

「ズバリ言うわよ」(古い!!!

ということはまずないのです。

 

これには、ちゃんとした理由があって、

まず、前にもお伝えした通り

悩みの形は人それぞれなので、

そもそもズバリ言うことができない

ということがあります。

 

また、もう一つの理由としては、

カウンセラーが答えを見つけるよりも

相談者自身が、
自分で気づいた方が効果が高いため、

ことさらにカウンセラーが主張するのではなく

相談する人自身が気づけるように
仕向けるという方法をとります。

 

けれども、

SNS/メールカウンセリングでは、

伝えることは、できるだけ明確に

あえてズバリ伝えます。

 

それは、
もしかしたら間違っているかもしれませんし、

できれば、
相談する本人が気づけた方がいいこと
なのですが、

 

それでもあえてはっきりと伝えることで、

そこで一度立ち止まって
じっくりと考えるきっかけにしてもらおう

という狙いがあるからです。

 

もちろん、
それを伝えて終わりではなくて、

伝えた後には、
そのことについてどう思うか
質問を重ねて、

それが正しいということではなく、

一緒に考えて行くという
スタンスをとっています。

 

ネットカウンセリングも試行錯誤と工夫の連続

ネットカウンセリングは、

まだまだ新しい領域です。

 

その方法は確立しているものではなく、

相談者さんとの二人三脚で

一緒に作り上げて行くものだと考えています。

 

オーダーメイドのカウンセリングで、

オーダーメイドの解決策を、

 

そういった心持ちで
ネットカウンセリングを行っています。

 

よろしければ、
SNS/メールカウンセリングをご利用ください。