1. 気持ちの上がり下がりが激しくなる「躁うつ病/双極性障害」の原因・メカニズムと治療法

気持ちの上がり下がりが激しくなる「躁うつ病/双極性障害」の原因・メカニズムと治療法

1899441 / Pixabay

躁うつ病(=双極性障害)の
心理的な原因・メカニズムは、

気分を一定の範囲に保つ機能の低下です。

*躁うつ病/双極性障害の特徴についてはこちら

 

正常な気分の変化

この図を見てください。

 

これは正常な気分の上がり下がり
を示した図です。

黄色い線が、気分の波

上に行けば行くほど
ハイテンションになり、

下に行けば行くほど
ローテンションになります。

真ん中の黒い線は、
「普通」の気分の位置です。

上下の緑の線が、
気分を一定に保つこころの機能です。

 

 

健康な人でも、
気分の上がり下がりがありますね。

楽しいことがあれば
テンションが上がるし、

疲れたり、嫌なことがあれば
テンションは下がります。

 

けれども、健康な人は、
この緑のラインに気分が近づくと

逆の方向に気分を戻そうとする働きが
自動的に起きるようになっています。

 

気分がどんなに高まっても、

どこかで熱は冷めて
冷静になりますし、

 

逆に落ち込んだとしても、

しばらくすれば
気持ちも晴れていきます。

 

心の機能が健康に働いていると、

それを意識しなくても
勝手に、自動的に、

一定の範囲内に気分が収まるのです。

 

 

躁うつ病の気分の変化

一方で、
躁うつ病/双極性障害の方の気分の変化は、
次のようなものです。

気分を一定に保つ機能が
低下しているので、
気分が飛び抜けてしまいます。

 

そして飛び抜けた気分は

しばらくその状態に留まり続けます。

 

これを、

躁状態・うつ状態

と呼びます。

エネルギー保存の法則

突然ですが、
「エネルギー保存の法則」
を覚えているでしょうか?

 

物体は、
一方向に力が加わると、
それを止める力がない限り、
ずっとその方向に
動きづつけるという科学の法則です。

 

実は、

双極性障害が発症した時の

気分の動きにも

これと同じことが言えます。

 

例えば、
テンションが上がって楽しくなると、
楽しいことをしたくなりますよね。

そして楽しいことをすると、
もっと楽しくなります。

 

こんな風に、
楽しい気持ちは、

楽しくなればなるほど、
さらに楽しくなって

どんどん膨れ上がっていきます。

 

逆に、落ち込んだ時も同じです。

テンションが下がると、
気持ちが落ち込みますよね。

そうして落ち込んでいると、
さらに落ち込みます。

 

このように落ち込んだ気持ちも、

その落ち込みが
また次の落ち込みの原因となって

どんどん落ち込んでいくのです。

 

このように

双極性障害が発症し、
気分がどちらかの方向に向かうと、

止まることを知らずに、
どんどんそちらの方向に
突き進んでしまうのです。

躁うつ病/双極性障害の治療

躁うつ病/双極性障害は
気分が正常の範囲内に収まりきらずに、
飛び出してしまう病気ですので、

その治療は、
気分が安定することを目的に行われます。

 

薬物療法

躁うつ病/双極性障害は
薬物療法による治療がメインです。

不安定になりがちな気分の波を
気分安定薬(mood stabilizer)などの
お薬を使って、安定化を図ります。

 

心理カウンセリング(精神療法)

薬物療法と併用して
心理カウンセリング(精神療法)
も有効であることが分かっています。

 

双極性障害でない人ににとっては、
意識しなくても自動的に
気分の波が正常の範囲内に収まるのですが、

躁うつ病/双極性障害のを持つ人にとっては、
自動で心を安定化する機能が不十分なため、

手動で、
つまり自分自身の工夫によって、

気分が安定するように調整
しなければなりません。

 

心理カウンセリングでは、
そのような工夫を
臨床心理士(カウンセラー)
との対話をとおして
自分自身にあった形で探していきます。

双極性障害の具体的なカウンセリング内容

具体的には、

 

躁状態やうつ状態に入る時のきっかけ
を振り返り、

また同じことにならないようには
どうしたらいいか対策を考えることや

 

②睡眠時間や服薬の乱れなど、
気分の波が大きくなりやすい要因
おこるきっかけを探って
その対策を立てること

 

③一般的に双極性障害が発症すると、

刺激が多い生活をしていると躁状態に
刺激の少ない生活をしているとうつ状態に

と、なりやすい傾向があるので、

刺激の量と気分の波の記録をつけて、
刺激の量を自己調整するように工夫すること

 

④気分の波が大きすぎることで
対人関係上のトラブルが生じて、
そのストレスによって
さらに気分の波が大きくなる…

という躁鬱と対人関係の悪循環が生じ
それが双極性障害の治療を妨げるので

対人関係上の工夫をおこなうこと

 

…などなど、

同じ双極性障害の治療でも
人によって問題になる点は様々ですが、

その人にあった
工夫できるポイントを探して
治療をよい方向に進みやすくする

ということを、
カウンセラーと一緒にやっていきます。

参考:対人関係療法でなおす 双極性障害

困ったときには専門家に相談を

もし、あなたや、あなたの親しい人が、

自分ではどうしようもないほどの
気分の激しい波に困っているのであれば、

思い切って一度、
精神科を受診してみるとよいかもしれません。

 

精神科ときくと、
抵抗がありかもしれませんが、

親身になって話を聞いてくれて、
必ず力になってくれます。

 

当サイトでは、
医学的な診断や治療はできませんが、

双極性障害や、気分の激しい波についての
心理カウンセリングを行うことはできます。

治療中の方は、必ず主治医の許可を得てからお申し込みください。

あるいは、
そこまで言えるかどうか
ご自身で判断がつかない場合でも、

困っていることがあれば、
どのような些細なことでも
ご遠慮無くご相談ください。

お話をいただくことで、
ご自身の中で状況が整理されていく
ということも少なくありませんよ。

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執筆:臨床心理士 髙橋雄太
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