1. 嫌な気持ちを楽にする心理学

嫌な気持ちを楽にする心理学

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いや~な気持ち、ありますよねぇ…。

嫌な気持ちを楽にする心理学的方法

お伝えします!

「嫌」と「つらい」は、別の気持ち

まず多くの人が、
誤解しているのですが、

「嫌な気持ち」と

「つらい気持ち」

別の気持ちです。

 

「ん?」
と思うかもしれませんが、

「嫌な気持ちがあっても、辛くないこと」

…って、生活の中に、たくさんありますよね。

 

例えば、私はゴキブリが嫌です。

あいつは絶滅すればいいと思う
くらい憎んでいるのですが、

ゴキブリが嫌なことで、
辛くなることはありません。

もちろん、
ゴキブリが目の前に出てきたら、
嫌だし気持ち悪いし怖いし、
必死で駆除しますけれども、

だからといって、
別に辛くはないです。

楽な気持ちで
「ゴキブリ嫌!最悪!」
と思えています。

 

そういうことって、
実はたくさんありますよね…?

「嫌だけれども辛くはないこと」
ご自身の経験からも、
ちょっと探してみてください。

 

このように、

「嫌」という気持ちと、
「つらい」という気持ちは、

そもそも別の気持ちなのです。

 

なぜ「嫌な気持ち」が辛いのか?

では、なぜ「嫌な気持ち」が、
辛くなってしまうのでしょうか?

 

結論から言うと、

「思っていること」と
「やっていること」が

ちぐはぐだと、

人間は、その状況にストレスを抱えて、

辛くなります。

 

つまり、

「いやだな〜」と思いながらも、
「嫌じゃない」ように振る舞うと、

「思い」と「行動」がちぐはぐで、
辛くなります。

 

たとえば、

「働きたくない」と思いながらも
「働く」という行動をすると

「思い」と「行動」がちぐはぐですので
それがストレスになり、つらくなります。

 

一方で、先程のゴキブリの例だと、

「ゴキブリが嫌」という思いと
「ゴキブリ殺す!」という行動が、
一致していますね。

「思い」と「行動」が一致しているので
ゴキブリは嫌だけれども、
そうすることは辛くはありません。

 

「思い」と「行動」が、

一致しているか、ちぐはぐか、
を見分ける方法は、

「思い」と「行動」
を並べて言ってみると、

わかりやすいです。

 

仕事が嫌(だけど)働いている。

と、ちぐはぐな時は
「だけど」などの
反転する言葉が、
間に入ります。

 

一方で、

ゴキブリが嫌(だから)殺す!

と、一致しているときは
「だから」などの
つながる言葉が、
間に入ります。

 

一致すると楽になる

「嫌」と「辛い」は別。

「嫌な思い」と「行動」が、
ちぐはぐな時に、辛くなる。

 

ということは、

「思い」と「行動」が一致すれば、

どんなに嫌なことでも、
辛くはなくなる

ということです。

 

では、どうすると一致するかというと、

一番、単純なのは、

「行動」を「思い」に合わせることですね。

「働きたくない」から「働かない」

としてしまえば、

仕事は嫌でも、
そもそも働いていないので、

なんのストレスもないですよね。

 

…ただ、

そういうわけにはいかないから、

働いているし、
働くしかないわけなので、

これは、あまり現実的ではないですよね…。

 

ということで、

「行動」がどうしようもないとしたら、

あとは「思い」の方を、
「行動」に一致させるしかありません。

 

嫌な思いはまず変えれない

「思いを行動に一致させる」

となると

じゃあ「仕事が嫌だ」という思いを

「仕事だいすき♡」

と変えよう、
という発想になるかもしれませんが、

これは無理です。

 

なぜかと言うと、

仕事が嫌だからです。

 

嫌なものは嫌

これは、ほとんど

変えることができないものです。

(いや、変えられるならいいんですけどね。
変えられるくらいなら、そもそも、
嫌なことでつらくならないでしょう…?)

 

それどころか、

本当は仕事が嫌な気持ちがあるのに、

「仕事を好きにならなければならない」

などと、反対の努力をすると、

その努力自体が、
「思い」と「行動」がちぐはぐなので
さらにつらくなってしまいます。

 

なので、まずは

「嫌なものは嫌、どうしようもない!」

と、嫌な気持ちは認めてあげましょう。

 

そっちの方が、

無駄な抵抗をするよりも、はるかに楽です。

 

それでは、

嫌な気持ちは嫌なままで、

どうやったら、
「思い」と「嫌なことをする行動」
とを、一致できるのでしょうか。

 

そのヒントを得るためには、

そもそも、

「なぜ、ちぐはぐな行動が出来ているのか」

というところを考えてみると良いでしょう。

 

思いなくして行動なし

なぜ、私たちは、
嫌な思いが思いがありながらも、
ちぐはぐな行動が出来るのでしょうか?

 

単純に考えれば、

嫌だと思っているだけなら、

その行動はやらないです。

 

「働きたくない」と思っているだけなら、

「働かない」のが単純明解な、

「思い」と「行動」の流れ、ですよね。

 

けれども、
そうならずに、働いている

ということは、
どういう理由が考えられるでしょうか?

自分のため?
家族のため?
将来のため?

働かないといけない理由はありますが、
ここで言っている「理由」というのは、
そういう理由ではありません。

 

もっと根本的な、

「人が行動をする理由」です。

 

ここで、
ちょっとしたワークをしてみましょう。

 

ちょっと、左手を上げてみてください。

 

恥ずかしいかもしれませんが、
ちゃんと上げてくださいね。

 

上げましたか?

 

ちゃんと上げたら次を読み進めてくださいね。

 

 

はい。一回あげたら、もう下げていいです。

 

 

…さて、

いま、どうして手を上げたのですか?

 

「は?上げろって言ったからだろ」

と思うかもしれませんが、

違いますよね。

 

たしかに先ほど、
上げてくださいと書きましたが、

書いてあったから上げたのではなくて

 

書いてあったのを読んで、

自分が上げようと思ったから、

手が上がったのですよね。

 

書いてあるだけで、
自分の意思とは無関係に手が上がったら
かなりヤバいサイトになってしまいます。

 

つまり何が言いたいかというと、

何かの行動をする時は、

必ずその前に

「そうしよう」という

自分の意思がある

ということです。

 

「そんなの当たり前じゃないか」
と思うかもしれませんが、

その当たり前のことが自覚できないと、
思いと行動がちぐはぐになって
つらくなってしまいます。

 

ちぐはぐな行動がとれるということは、

その裏には、
必ずちぐはぐでない思いが、あります。

 

「嫌だな」と思いながらも
「働いている」ということは、

必ずどこかに、

「しょうがないから、働くか」

という思いがあります。

 

なければ働くことは不可能です。

「実際に働いている」にもかかわらず
「働くか」と思っていないということは、
ありえないのです。

 

自分の意思とは無関係に、
手が上がることは無いのと同じく、

自分の意思とは無関係に、
嫌なことをすることも無いのです。

 

けれども、それが
意識の中では自覚できていないので、

思いと行動がちぐはぐになっている
ように思えて、苦しいのです。

適応的な思いを自覚する

嫌な思いを変える必要はありませんし、
新しい思いを作る必要もあません。

すでにある思いを自覚する

ただそれだけのことです。

 

仕事が嫌(だけど)働いている。

から

仕事は嫌(だけど)

働くかと思う(から)

働いている。

と、自分の心の流れを、
自覚しながら行動すれば、

どんなに嫌なことでも、
つらいということはなく、

自分の意思でやっているので、
ただ粛々と楽にやれるようになります。

難しい時にはカウンセリングを

とは言っても、

こういった「心の作業」は、
一人ではなかなか難しいものです。

 

「なんだかよく分からない!」
「頭ではわかったけど、うまくできない…」

などというときは、

カウンセリングで相談してみてくださいね。


執筆:臨床心理士 髙橋雄太
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