こんにちは。公認心理師の髙橋です。

このページはナラティブセラピーの個人的なメモです。
ナラティブセラピーについて学んだことを箇条書きでメモしていきます。
断片的な情報ですがナラティブセラピーについて知りたい方はご覧ください。

より詳しくあるいは正確に学びたい方は、下記の書籍をご覧ください。

ナラティブセラピーの本

「ナラティブセラピーって何?」アリス・モーガン

ナラティブセラピーについて書かれた専門家向けの入門書です。

専門家向けといってもかなり優しい言葉でかかれているのでおすすめです。

この記事を書くベースにもなっています。

ナラティブセラピーの基本スタンス

  • すべての人が「自分の人生」の専門家であることに、敬意を払い、非難をしない。
  • 「問題」は「本人」から離れたもであると考える。
  • 「本人」は「問題と本人との関係」を変化させる力を備えている。
  • 「正しい方向」は存在しない。多様な方向の可能性があるだけ。
  • 「本人」が進むべき方向を決める。

「ストーリー」という考え方

  • ストーリーとは、出来事が、時間軸上で、連続してつなげられて、プロットになったもの。
  • 人は、出来事を特定の順番につなぎ合わせることで、それに意味を見出す。
  • 様々な出来事の中から、ストーリーにあった出来事を抽出して、ストーリーを作り上げる。(「運転が上手」ストーリーなら、上手く運転できた場面をつなぎ合わせる)
  • 未来の行動も、ストーリーにそって矛盾のないよう遂行される(「運転が上手」ストーリーにそうために、危険な運転をしないように心がける)
  • 過去の認識や未来の選択に影響力の強いストーリーを「ドミナント(優勢な・支配的な)ストーリー」と呼ぶ。
  • 別の事実が注目され始めると「オルタナティブ(代わりとなる)ストーリーが生まれる」(私は運転が下手)
  • オルタナティブストーリーが次のドミナントストーリになることもある。
  • どちらのストーリーも、明確な正しさがあるわけではなく、曖昧で矛盾に満ちている
  • 矛盾する複数のストーリーが同じ人の中に同時に存在しうる。
  • 個人のストーリーは、集団のストーリー(評判・偏見・常識・文化など)から影響を受ける。

薄い記述

  • 「薄い記述」:複雑さや矛盾を含まない単純化された意味づけ。他人によって作られて、展開の余地がほとんどない。他の意味づけの可能性を潰してしまう。
  • 「薄い記述」は定義づける権力をもつ人によってなされる。
  • 「薄い記述」から引き出される「薄い結論」によって、人々は虚弱で、無能力で、機能障害的で、不適切さにいつも基づいているかのように、ディスエンパワーされる。
  • いったん「薄い結論」が確立すると、薄い結論のドミナントストーリーを支持する証拠集めは簡単になる。それによってますますドミナントストーリーの影響力が大きくなる。逆に、薄い結論に合致しない出来事が起きても、目に入らなくなる。

オルタナティブストーリー

  • オルタナティブストーリーは相談者自身によって同定され、相談者自身が生きていきたいと考える人生に沿ったストーリーでなければならない。
  • オルタナティブストーリーは問題の影響を減らし、生活の新しい可能性を生み出すことができる。
  • オルタナティブストーリーは自分に関係することからも直接は関係しないことからも様々なところから見出すことができる。
  • 薄い結論から脱し、人生や人間関係にとって好ましく新しいストーリーを「再著述」する。

分厚い記述

  • 「薄い記述」の対極は、人生や人間関係についての「分厚い記述」
  • 異なる多くのものごとが「分厚い記述」に貢献できる
  • 「分厚い記述」の最低条件は主人公自身が語ること
  • 「分厚い記述」は他の登場人物や出来事についてのストーリーと相互に織り込まれていく

外在化

  • 問題を人から切り離すことを「外在化」と呼ぶ。
  • 人を問題としてみるのではなく、問題を問題としてみる。
  • その結果、人は、人から離れた位置から、問題を語るようになる。(ドミナントストーリーの影響から切り離される)
  • 外在化は技法ではなく、会話における態度や方向性。
  • 「私はうつで、外に出たくありません」などの内在化する会話は、問題をその人の内部に位置づけ、薄い結論を招いてしまう。
  • 外在化の例
    「私はうつで、外に出たくありません」
    →「うつのせいで、出かけるのが難しいのですね」
    「私は怠け者です」
    →「問題が、あなたのやる気を削いでいるのですね」
    「私は心配性です」
    →「心配は、あなたが新しいことをするのを止めるのですね」
  • 外在化する会話では、問題は常に人から離れたものとして語られる。
  • 問題を外在化する言葉(問題の名前)は、相談者自身から出てきて、相談者によって選ばれることが大切。
  • 人が問題から切り離されると、その人のスキルや能力、興味や取り組みが、より明らかなものになる。
  • 外在化する会話は、罪悪感や非難を軽減しながらも、その人が責任をとる余地を残す。
  • ラベルを貼ったり、病理化したり、診断を下すことは、薄い記述となり得るが、外在化する会話はそれらの影響を弱体化させる。(ドミナントストーリーが弱体化する)
  • 外在化によって、問題のしみこんでいない新しい立場から、自分自身や相手のことや人間関係を記述する可能性に開かれる。(オルタナティブストーリが展開しやすくなる)
  • 問題が問題となり、問題に対する人の関係が問題となる
  • 自分自身が問題なのではなく、問題によって影響を受けている存在として自分自身を語り始めると、選択の自由が手に入る。(二次意識の自由性に気づく)
  • 問題が独立したものとして考えられると「誰を非難すべきか」という論争は意味のないものになる。誰にアイデンティティにも問題が位置付けられない時、協力や共同作業がより可能になる。
  • 問題が外在化されたら、問題のすべての側面を注意深く探究する。それによって、人からさらに問題が引き離される。
  • 問題を探求する際、セラピストは「知っている」と思い込んではいけない。それぞれを個別のものとして扱い、セラピストが聞き、相談者本人によって語ってもらう。

問題との関係を改訂する

  • 問題と自分との関係を記述するように促す(あなたと問題との関係は、どんな言葉で説明できますか?)
  • 問題とどんな関係を築くことがより望ましいか、相談者自身の考えや意見をうかがう。

問題の歴史をたどる

  • 問題が人から切り離されたら、問題がいつから発生しどう変化していったのか、問題の歴史を探究する。
  • 影響相対化質問:「その時の自分のやっていることが全部で10あるとすると、その10のうち、どのくらいが問題に支配されていましたか?あるいは、自分が自由にできる部分はどのくらいありましたか?」
  • 問題の歴史をたどることで、問題に対する別のストーリーを考慮する余地が開かれる。
  • 問題を時間の中で捉えると、問題が「変化するもの」として考えられ、固定されたものとは感じにくくなる。
  • つまり、影響相対化質問で重要なことは「問題に支配されている割合」の方ではなく、「問題に支配されていない、自由にできる部分」の割合の方。この部分に気づくことがエンパワメントとなる。
  • 問題の影響が少ない時の話は、オルタナティブストーリーの探求につながる。その時、何がおこっていたのか、その時のスキルや能力・欲求・希望は何だったのか、いかにして問題の影響を軽減させたのか。

問題の影響を明らかにする

  • 自分自身についての考えや、他者との関係、感情、ものの見方、仕事の遂行などに問題がどのように影響を与えたかについて質問する。
  • 問題の影響の明確化は、内在の形で行われると影響を強化することになるが、外在化の形で行うなら問題と自分とを引き離しエンパワメントになる。
  • 問題の影響を明らかにすると「問題に影響されていないこと」も明らかになる。問題に影響されていないことの発見と探求はオルタナティブストーリーにつながる。
  • ただし、オルタナティブストーリーを探すことを急いではいけない。相談に来る人にとって、問題のストーリー(ドミナントストーリー)は非常に重要で大きな影響力をもっている。まずは問題の影響を探求し共有することが大切。

問題の影響を評価する

  • 問題の影響について本人がどう感じているのか質問する(問題に対するメタ認知を確認する)(その問題の影響は「自分に見合っている」とおもうか?)(「見合っている」という表現はあまり日本語的ではないですね…。「納得できる」「受け入れられる」とかかな?)
  • 「なぜ」そう評価するのかを質問する。(「問題に対するメタ認知」のメタ認知。認知行動療法のスキーマと同じような概念か)それによって、自分自身の価値観や自己イメージ、好みなどが明らかになる。問題に対する自分の立場を明確にすることで、ドミナントストーリーの影響を減らし、オルタナティブストーリーの創造につながる。

問題を文脈に位置付ける・脱構築

  • 問題が存在するのは、問題を支持する文脈(文化・社会構造・価値観・ものの見方)があるから。(DVが成り立つのは、暴力を正当化する男性優位の考えがあるから。拒食症が成り立つのは、痩せていることに価値を見出す文化があるから)(問題は文脈によって「社会構築」されている)
  • 問題を支えている信念やアイディアは、「当たり前のこと」「真実」「共通の理解」とみなされることが多い。(バックグラウンドに隠れている考え)
  • 質問と対話によって、問題に力を与えている文脈(アイディア・信念)を明確にして、定義づけ、吟味し、分解(脱構築)することが可能になる。
  • 脱構築によって「当たり前とされている」考えに疑問を投げかけたり離れたりし、自分にとって好ましいアイディアや考え方・生き方に近くことができる。

*とりあえず今回はここまで。
*また今度更新します。