どうしようもないことを受け入れる心理学:学習性無力感という知恵

こんにちは。

臨床心理士&公認心理師の高橋です。

今日は産業カウンセリングのお仕事なのですが、家から最寄り駅に行くだけで、すでに汗だくです。。(8月に書いた記事です)

暑いものは暑い

「心頭滅却すれば、火もまた涼し」

とか言いますが、

無理ですよね。。。

 

だって暑いじゃん!

 

暑ものは暑いんです。。

どうしようもないことを受け入れる

夏の暑さは、

「どうしようもないこと」

です。

 

「どうしようもないこと」は、

その言葉の通り、

どうすることもできません。

 

つまり、

受け入れるしかないことです。

 

ここで、

「どうしようもないことを受け入れる」

ということについて、

ちょっと心理学的に考えてみます。

受け入れる=ポジティブ思考ではない

「どうしようもないことを受け入れる」

と聞くと

ポジティブ思考のように聞こえるかもしれません。

 

「暑くてもいいじゃない!暑さサイコー!」

って、思ってみるとか。

 

でも、これって

まあ、そう思えれば幸せかもしれませんが

そもそも暑いのが嫌だっていう話ですし

基本的に無理じゃないですか?

私は無理です。

 

どう考えても

「暑いのサイテー」

と思ってしまいます。

 

こういう

無理のある受け入れ方ではなくて

もっと普通の

「無理のない受け入れ方」

ってありますよね。

無理のない受け入れ方

例えばこんな気持ち。

 

マジ暑い。

マジやめてほしい。

本当は家で涼んでいたいよ。

まあ、でも…

そんなこと言っても仕方ないか。

しょうがないから

暑くてもやるか…。

 

嫌で嫌で仕方がない

本当は受け入れたくなんかない

けれども、

受け入れるしかない

あるいは、

受け入れておいた方が良い

だから、

しぶしぶ

いやいや

しょうがなく

「やるか〜」

と考えておく。

 

これが、普通の

「どうしようもないことの受け入れ方」

じゃないでしょうか?

 

ネガティブなことを
無理やりポジティブにするのではなくて、

ネガティブなことを

ネガティブなまま受け入れる。

 

「諦めの心」

と言ってもよいでしょう。

 

どうしようもない思いを

無理にどうにかしようとするよりも

どうしようもないまま

今やれることをやる

としておいた方が

心の正直なところに逆らわない

無理のない心の使い方です。

学習性無力感という知恵

この「諦め」の心のことを

心理学的は

「学習性無力感」

と言ったりします。

 

人間どうしようもないことに出会うと

「無力感」を学習して、

抵抗をやめる性質があるのです。

 

どうしようもないことを頑張っても

「エネルギーの無駄」ですからね。

 

そんな無駄なことをさせないために

無駄なことへの気力を失わせる機能を

人間は持っているのです。

 

暑さを消そうともしないし、

ポジティブに変えようともしない。

 

ただそのまま放っておく。

そんな心境になるのです。

 

これって

生きていく上で

かなり大切な機能だと思うんです。

 

どうしようもないことを「諦める」ことで、

必要以上にエネルギーを使わなくて済むし、

そのエネルギーで、
替わりに他のことをすることもできる。

 

だから、

どうしようもないことにぶつかった時

それをなんとかすることは諦めて

 

いやいや、しぶしぶでも

今やれることで良しとする

と考えてみることも

大事かもしれませんね。

困った時は相談を

そうは言っても、

「そんなに簡単にできないよ〜」

という時もあると思います。

 

そんなときは、

心の専門家に相談してみてくださいね。

 

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