ADHDの二次障害の予防と対応

ADHDの二次障害の予防と対応

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こんにちは。臨床心理士の高橋です。

今回はADHDの二次障害と、その予防と対応についてお伝えしますね。

その他のADHDの記事は、こちらからどうぞ。
ADHD 注意欠陥多動性障害 まとめ記事

 

ADHDの難しさは、工夫ができる

ADHDをもっていると、いろいろと難しい場面が出てきますね。

ついつい忘れ物をしてしまったり、ぼーっとしていて話を聞いていなかったり、思いついたらよく考えずに行動してしまったり…。

けれども、そういった特徴がありながらも、自分自身で工夫してみたり、時に周りの人に助けてもらったりしながら、なんとかやっていけるようになるものです。

不注意や衝動性という特徴がわかっていれば、その対策は意外と立てやすいのです。

忘れ物をしやすければ、チェックリストを作って確認するようにしてみたり、ぼーっとしないように度々声をかけてもらったり、などですね。

 

ところが、そういった対策を立てても、なんだか上手くいかなかったり、あるいは逆にもっとひどくなってしまう場合があります。

もしかしたらそれは、純粋なADHDの特徴というよりは、二次障害に発展しているのかもしれません。

二次障害とは?

二次障害というのは、もともとのADHDの特徴にさらに輪をかけるような形で、日常生活が上手くいかなる状態のことを言います。

 

具体的には、友達に嫌がらせをしてしまったり、ダメと言われることをあえてやってみたり、学校に通えなくなったり、お腹が痛くなったり…などです。

 

よく誤解されるのですが、
これらの現象は、ADHDそのものの特徴ではありません。

ADHDの特徴は「不注意」と「衝動性」の二つのみです。

参考:ADHDとは(注意欠陥多動性障害)2つの特徴

 

「不注意」で話を聞けないことはあっても、注意を促して分かっているのにダメと言われていることをすることはありません。

「衝動性」が高くて、思ったことをパッと言ってしまったとしても、相手が嫌だと言っているにもかかわらず、ことさら嫌がることを続けることもありません。

 

上にあげた行動はADHDそのものではなく、二次障害によって起きているのです。
そして、この二次障害が起こることによって、ADHDの対応は数段難しくなってしまいます。

 

なぜ二次障害が起きるのか?

二次障害とは、「障害」という名前が付いていますが、発達障害ではありません

ADHDや自閉症スペクトラムなどの発達障害は、生まれた時からすでに備わっている脳の特徴によるものだと言われています。

 

一方で、二次障害は、生まれた後、育つ過程で、さまざまな経験を通して身についたものです。

 

例えば、ADHDを持つ子どもは衝動性が高いので、じっとしていることが難しいですね。静かにしていなければならない場面で、走り回ったり、動き回ったりしてしまいます。

そうやってつい動き回ってしまうことを注意されると、少しはじっとしていられるのですが、また少しすると忘れて動き回ってしまいます。

注意を促してあげることは、ついうっかりやってしまった時に、直そうとするための必要なサポートなのですが、

 

この注意の仕方が、
「何回言ったらわかるの!」
「本当にあなたはダメな子ね!」
と、子どもを責めたり、けなしたりするような言い方でやってしまうと、

 

子どもは、何度も何度も、そう言われているうちに

『僕は何をやってもダメなんだ…』
『どうせ、できっこない』
『真面目にやるだけ、損だ』

と、自分自身を下げずんで、適切な行動をあえてしないようになってしまいます。

 

そうやって、あえてふざけたり、あえて嫌がることをしたり、あえて言うことを聞かなかったり…などという、二次障害が作られるのです。

 

二次障害は予防や修正できる

重要なことは、こう言った二次障害は、生まれた後の経験から作られたものだということです。

心理学ではこれを「学習」と言います。

お勉強など、自分から、それを学ぼうとするものだけでなく、知らず知らずのうちに着いてしまったクセのようなものも、「学習」されたものです。

 

なぜそれが重要なのかというと、後から身につくもは、予防したり修正したりすることが出来るのです。

 

ご存知の通り、ADHDそれ自体は、生まれ持った特徴なので、変えることはできませんね。一方で、二次障害は、後から「学習」されて身についたものなので、変えることができます。

 

まずは予防

この記事を読んでいる方は、すでに起こってしまった二次障害をどうにかしたいと思っていらっしゃる方が多いかもしれません。

けれども、その話をする前に、予防についてもぜひ知っていただきたいと思います。

 

なぜなら、これからさらに起こるかもしれない二次障害を、まず食い止めることが、大切だからです。

・起こってしまった二次障害を修正すること
・二次障害が起こる前に予防すること

この二つを比べると、圧倒的に予防の方が簡単で、手間がかかりません

 

こぼしてしまったジュースの掃除をするよりも、こぼさないようにペットボトルに蓋をする方が簡単なのです。

 

ですから、まずはさらなる二次障害を予防する方法を知りましょう。

それに、予防方法は対応方法とも関係しています。

二次障害の予防

さて、具体的な予防方法ですが、
「自分でもこうやったら、うまくできるんだ」
という気持ちにさせてあげることです。

 

ADHDがあると、どうしようもない「不注意」や「衝動性」があります。
そのためにうまくできないこともたくさんあるでしょう。

そういった上手くできないことをなんとかするために、注意を促してあげたり指導をしてやることは必要なことです。

 

ところが、その指導方法が「ダメ」と言うだけの指導であったり、「ちゃんとしなさい」と行動だけを示す指導だったりすると、子ども自身はどうやったら上手くできるか分からないので、「どうせ…」と諦めるしかなくなってしまいます。

 

ですから、「ダメ」と言うときは、
「〇〇しなさい。〇〇すると、できるよ」
と具体的な方法までセットで教えてあげる。

そして、ちょっとでも出来たら、
「できるじゃん。それでいいんだよ。」
と子どもに伝えます。

 

そうすると子どもは
「ちょっと失敗しちゃうこともあるけど、こうやったら僕もできるんだな」
と言う気持ちになります。

そうすると、自己卑下したり、あえて悪いことをしたりせずに、出来ないなりに頑張って合わせようとする気持ちが保たれるのです

 

そうお伝えすると
そう言ってもダメなんです」(だからこの子はダメなんです)
とおっしゃる方がいますが、

それはその子がダメなのではなくて、その方法がダメなのです。

その子にあった、もっといい方法を探しましょう。そうやって試行錯誤をしながら子どもと一緒に探していけば、必ずいい方法が見つかります。

もし大変なときは、スクールカウンセラーや病院の臨床心理士に相談してみると良いでしょう。もちろん、私のメールカウンセリングでも一緒に考えることができますよ。

 

起きてしまった二次障害に対応する

上記の予防方法は、難しい場面があっても素直にこうしてみようと話が聞ける時に使える方法です。

けれども、いったん二次障害が発生してしまうと、言われた通りにやってみることが出来なくなってしまいます。

「〇〇しなさい。〇〇すると、できるよ」

と言っても、

「うっせー」「無理だよ」「やってられるか」

となるわけです。

 

これは、俗っぽい言い方をすれば「心が挫けている」わけですから
その「挫けた心」をもとに戻す対応をしなければなりません。

もっと具体的に言うと、
「やってられるか」と思いながらも
「しゃーない、やってみるか」とその気になるような対応が必要なのです。

 

で、それを具体的にどうするかというと、それは、その子がその気になるポイントを見極めなければなりません。

おだててあげるとその気になる子であれば、「すごいなーこんなこともできるんだ」と褒め殺しにしてあげて、「〇〇もできるよ」「君ならやれるよ」と言ってあげれば、「あ、そう?やってみようかな」という気持ちになるかもしれませんし、

思春期に入って指図されるのが嫌な子なら「君なら、言わなくてもわかってるよね〜」とプライドを傷つけずに提示してあげれば、しれっと「当然でしょ」とその気になったりします。

 

で、その気になっても、もともとのADHDはあるので、100%上手くできることなんてほとんどないのですが、

1%でも、0.1%でも出来たら
「出来るじゃん!」「それでいいんだよ!」
と言ってあげる。

それが、その次の「やってみるか」に繋がるのです。

 

そういう対応を繰り返すことで、少しずつ二次障害が解消されていきます。

 

困った時には相談を

とは言っても、実際の対応はいろいろと難しい場面も出てくるでしょう。

そんな時は、抱え込まないで、ぜひ学校や病院の臨床心理士に相談してみてください。もちろん、私のメールカウンセリングで相談していただいても大丈夫ですよ。

 

関連:ADHD 注意欠陥多動性障害 まとめ記事

 


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